喪服と黒いスーツの違いは?ワイシャツやブラウスの色はどうする?
2020/05/14
身内や知人、仕事関係の方の突然の訃報により、お葬式へ急遽参加しなければいけない…
社会人になると、そういう機会が増えます。
喪服を着用するのは当然のマナーですが、もしものときのために喪服を用意しておらず、いざというときにあわてて戸惑う方も多いでしょう。
特に若い世代の方は、学生のころは制服でよかったので、喪服についてのマナーも細かいところまで知らないということも。
他の世代の方でも、持っていた喪服がいつの間にかサイズアウトしていたりして、急遽別のものを用意しないといけない場合がありますよね。
手持ちの服が喪服として着用できそうなものならそれで済ませたいところですが
「喪服の代わりに黒いスーツならあるけどいいの?何か違いがある?」
「喪服のジャケットの中にはどんな色のワイシャツやブラウスを着用すればいいの?」
などの疑問をあいまいに適当な服装をしてしまうと、会場で悪目立ちしてしまい恥ずかしい思いをすることになります。
ここでは、喪服を着用する、葬儀や法事での服装のマナーについて解説していきます。
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喪服と黒いスーツの違いは?
喪服と黒いスーツって、一見同じように見えます。
ですので、黒のシンプルなスーツを持っている人は、これで代用できるのではないかと考えることも多いです。
しかし、喪服と黒いスーツには大きな違いがあります。
一番大きな違いは生地。
喪服の生地は一般の黒の生地とは違う生地で作られています。
光沢を抑えた深いいわゆる真っ黒な生地です。
織物や柄の見えない、つやもテカリもない漆黒の生地で作られているのです。
喪服として使える黒のスーツは、礼服売り場などに置いてあるブラックスーツのことを指します。
一方、礼服売り場のブラックスーツではない黒いスーツの場合は、黒は黒でも漆黒ではない黒の生地をつかっていることが多いです。
黒いスーツの生地、いわゆる一般の黒の生地は、単体で見ると黒なのですが、喪服に比べると若干グレーに見えます。
太陽の光を浴びると黒色の薄さが目立ちます。
漆黒の喪服の人の中に、通常の黒スーツが混ざると、黒の質の違いが目立ち、見る人が見るとそのスーツがビジネススーツであるとすぐにわかります。
それだけ黒味の強さや光沢などに違いがあるのです。
喪服を着用するような場では、黒のビジネススーツではなく、礼服のブラックスーツを着用しましょう。
喪服の種類
喪服と黒いスーツは違う、ということを解説しましたが、次に「喪服」とひとことで言っても喪服にも種類があるので、そちらを解説していきます。
喪服には3つの種類・格式があります。
弔事の種類や出席する立場によって着用する格式が異なります。
正喪服
正喪服とは、主に葬儀を主催する立場の方が着用する喪服のことをいいます。
喪服の中では一番格の高いものとなっています。
葬儀・告別式から一周忌などの法事を主催する喪主、その配偶者、近親者などの立場の方が着用します。
正喪服は、必ず光沢感のない真っ黒な生地が基本です。
男性の場合は黒のモーニングコートや紋付羽織袴などの和装を着用します。
女性の場合はワンピースやアンサンブル、和装の場合は染め抜きの黒無地の着物を着用します。
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ちなみに、一般の参列者は喪主や遺族より格式が高くならない装いをするのがマナーとなっていますので、実際に正喪服を着用する機会は少ないです。
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準喪服
準喪服とは、正喪服の次の格にあたる喪服のことです。
喪主や親族でも着用できますし、一般の参列者なども着用します。
ごく一般的に「喪服」という場合は、この準喪服を指すことが多いですね。
男性の場合は光沢感のない黒で無地のスーツを着用します。
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女性の場合は同じく光沢感のない黒で無地のワンピースやスーツ、アンサンブルなどを着用します。
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男性の場合も女性の場合も、準喪服でいう黒いスーツとは礼服売り場などに置いてあるもので、黒いビジネススーツでの代用はマナーとしてNGです。
略喪服
略喪服は喪服の中では一番格が低く、3回目以降の法要などで一般の参列者が着用します。
急な訃報の仮通夜などに急遽駆けつけることになった際にも着用します。
仮通夜の場合は、準喪服を着用していると、喪服を前もって用意していたという意味合いでとらえられ、略喪服を着用するのがマナーとなっているのです。
男性の場合はダークスーツなど、目立たない色合いで無地のスーツを着用します。
なるべく光沢感のあるものは避けましょう。
女性の場合もまた地味な目立たない黒やグレー、紺の色合いで、ワンピースやスーツ、アンサンブル、またはパンツスーツを着用します。
生地は無地に近いものであれば織柄やストライプなどの生地でも問題ないです。
略喪服は正喪服や準喪服比べて厳しい制約はないものの、小物などは黒色のものにまとめるなどして目立たないような着用を意識しましょう。
黒いスーツでも代用できますが、あくまでも弔事の場の服装であることを意識し、生地や色合い、小物などに注意をして着用する必要があります。
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喪服の中に着るワイシャツやブラウスはどうする?
喪服の中に着るワイシャツやブラウスに関しては、喪服の種類や男女によってマナーが違います。
順番に解説していきます。
男性の場合
男性の場合は、スーツやモーニングコートの中には白地のワイシャツを着用します。
ネクタイやベスト、靴下は黒色で統一するのがマナーです。
女性の場合
女性の場合は、正喪服の場合のスーツの下は、装飾のない襟元の詰まったデザインで、光沢のない生地の黒色のブラウスを着用します。
準喪服や略喪服の場合は、黒色で光沢のない生地のブラウスであれば、スーツに合ったレースやフリルがついていても問題ありません。
ただし、決して華美にはならないように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、黒のスーツと喪服の違い、喪服の種類、喪服時のシャツやブラウスについてお伝えしてきました。
喪服の着用機会は、頻繁ではないですが、いざというときにあわててないよう社会人として1着用意しておくほうが安心です。
購入して持っておくのが一番安心ではありますが、最近では喪服のレンタルをしているお店もありますので、そういうものを上手に使うのもおすすめです。